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フェラーリのF1マチックについて

トランスミッション

定番になったフェラーリF1マチック

私の所有するフェラーリ360モデナはF1マチックといわれるパドルシフト付きセミオートマが装備されています。
これはトルコンやCVTなどのATと違って、クラッチを操作するMTが進化した形です。クラッチはシングル仕様となっています。
MTの操作はドライバーがアクセルペダルを少しずつ踏みながらクラッチペダルも踏んでシフト操作をしますが、F1マチックでは運転手ではなく機械が油圧で行います。
また、F1マチックの場合、シフトチェンジは自動化されていないので、ステアリング奥に配置されたパドルシフトで行います。
パドルシフトは右側がアップ、左側がダウンです。どちらかのパドルを操作したか電気信号でギアボックスに伝え、シフトチェンジする仕組みです。

F1マチックはMTですが、構造的にクラッチペダルはなく、アクセルとブレーキの2ペダルで操作するため、セミオートマと呼ばれています。
シフトチェンジのアクセル操作は独特なもので、普通のMTならシフトチェンジはクラッチペダルを踏んでアクセスペダルを一瞬離しますが、F1マチックではアクセルを踏み込んだままです。
パドルシフトの操作だけで済むので、シフトチェンジは簡単になり、ドライバーの負担は軽減されることになりました。

F1マチックは故障しやすい?

F1マチックが初めて搭載されたフェラーリ355までのものは油圧がすぐに抜けてしまうといったトラブルが起こりやすいものでした。
その後、360モデナから普通に使えるようになったという感じで、どんどん完成度が高くなっていきます。
しかし、F1マチックは複雑な機構のため、慎重になるのも仕方ないかもしれません。
僕は発進時、優しくクラッチをつなげるためにゆっくりアクセルを踏み、負荷をかけないように変速回数も減らすようにしています。
車庫入れなんかは気を使いますし、渋滞にハマると変速の回数を数えてしまうことも。
クラッチ交換は数十万円といわれているので、大切に扱いたいものです。

シングルクラッチからデュアルクラッチに

シングルクラッチの最終型F1マチックが搭載された599になるとかなり洗練され、違和感なく乗れる車になっていたそうです。
以降はV8、V12モデル共に、デュアルクラッチが採用され、変速時のショックが感じられなくなるほどミッションは進化しました。
運転しやすさや速さを追求するなら、デュアルクラッチの進化は必然の流れですが、運転していて楽しく感じるのはシングルクラッチのミッションだと思います。